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「和醸良酒」の額について

皆さんこんにちは。
石川県の清酒手取川醸造元 吉田酒造店の吉田隆一です。
今回はうちの蔵の壁に掛けてある一枚の額についてご紹介します。
実は杜氏山本輝幸が書いた書なのです。この「和醸良酒」の書にまつわる話をご紹介させて頂きます。
山本杜氏作「和醸良酒」です。原画です。
山本杜氏さんが最も大切にする事、それは「蔵の和」です。
蔵人の方は半年の酒造り期間、一つ屋根の下での共同生活となります。蔵人14人全員が力を併せないことには、決してお客様に「美味しい」と喜んでもらえるお酒は出来ないのです。まずは藏の和なんです
山本杜氏さんはそう、考えてます。
今から10年前、前杜氏の病気による退社で、急遽、山本は杜氏になりました。
杜氏経験のない山本では、まともな酒は造れないだろうと、巷の人にうわさされました。
この不安感が逆に、全社員の心を一つにするきっかけとなりました。
酒造りが始まるなり、山本杜氏は、当時会社に在籍していた能書家の竹本米雄氏に「和醸良酒」と書いてもらいました。それを藏に張り出し、蔵人全員に協力を求めたのです。

この年、結果的には最高の酒が造られました。金沢国税局主催自醸酒品評会県最高賞、全国新酒鑑評会でも金賞を受賞しています。
山本杜氏はその年2回涙を流しました。第1本目の酒が出来た後の新酒祝と、金沢局で優等賞受賞と連絡があった時との2回です。今もあの時の感激を胸に酒を造っているとのことでした。
満足そうな山本杜氏です。
山本杜氏は、いつか自らの筆で「和醸良酒」と書き、それを藏に貼り出したいと考えていました。その為に、この10年間、密かに書道の修練を積んできたのでした。そして、昨年12月はれて蔵内に掲げる事が出来たのです!
おめでとう!山本杜氏さん(^_^)

さてこの話には後日談があります
表具された「和醸良酒」です
私は、今年に入ってから、山本杜氏の書完成を称え、近所の小松屋さんで表具して貰いました。見栄えは抜群に良くなり、蔵においてもとても映えるようになりました。
そして、2月仏画家和田克己氏が蔵に来られました。そして、山本輝幸の署名に落款が押してない事をとても残念がられました。
落款付きです
ご満悦の山本杜氏です。
東京に戻られ数日後、「山本輝幸」と彫られた落款をお送り頂きました。
山本杜氏も大感激の面持ちです。
さてこの書完成の為、多くの方の力添えを頂きました。能書家の竹本米雄氏、表具士の小松屋さん、仏画家和田克己氏そして私の協力あって初めての完成品なんです。まさに和醸良酒ですね(^_^)/~


at 17:56, ishikawaysd, 蔵元からのメッセージ

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